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WORLD TRADE CENTER
ワールドトレードセンター「ワールドトレードセンター」観てきました。

「9.11であの場所にいて、
奇蹟の生還を遂げた警察官の物語」

ということは知ってましたが、それ以上の情報は極力見ないようにして、いきなり劇場突入。いつものとおりレイトショーで、日付変更ギリギリの鑑賞でした。


75点。(脚本:3/演出:3/映像:4/音楽:3/配役:4)

率直な感想……というのか、とりあえず観終わって気分(具合)悪くなりましたよ。
これ書いてる時点ですでに数時間経ってるんですが、未だに不整脈気味です。
その理由は後述のネタバレ感想の中で書くとして、とにかく重いですこの映画。
しかも淡々と進むので、進めば進むほど陰鬱な気分になることうけあいです。
カップルや家族連れが、「一緒に映画」でチョイスするには向かないですね。
でも映画館で観て良かったとは思います。より正確には「良かった」より「実になった」が近いかな?
だけど、ホント陰鬱な気分になるので、この後に楽しいことを用意しておくとか、いっそもう一本違う映画を観るとか、「鬱」対策をされることをオススメします。
間違っても、「ラスト上映を鑑賞→直帰」はだめですよ。
多分、寝床まで引っぱります。

開始10分くらいで早くも飛行機激突の一報。
続けてタワー2に……と、このあたりの描写は、錯綜してたあの日のTV報道を思い返します。(パラグライダーがぶつかった→セスナがぶつかった→ミサイル?→え?ジャンボ機??→えっえ??ちょっと!?もう一機!?まさか!……という日本の報道と同じ)
でも、基本的にワールドトレードセンタービルの実写は少なめで、見ていた限り、「タワー1から煙が上がる」「両タワーから煙が上がる」「タワーから落ちる人がいる」「崩れた後の粉塵が舞い上がっている」「煙が流れている」くらいしか無く、飛行機がぶつかった瞬間の画とか崩れ落ちるビルの画はありませんでした。
アメリカでは「あの画は使ってはならない」ということになってるので当然ですが、日本ではことあるごとに垂れ流しになってるので、本来ある場面がカットされてるような違和感を感じてならなかったです……完璧に過剰報道に毒されてますね。

で、まぁ、ニコラス・ケイジをはじめとする面々が救助のためビルに突入するんですが、「ワールドトレードセンターは崩れる」という事実ありきなので、すべての行動やセリフが悲しくて、観ていて辛かったです。
出る人出る人に、「あぁ、この人も死んじゃったんだな……」と。
今回見ただけでは顔と名前が一致してない人物も多く、事が起こる前の気楽なシーンで喋ったこととかほとんど覚えてないんですが、次見るとその人がどうなったか分かってるので、しょっぱなから苦しくなると思います。だからいつかTVで放送することがあっても、多分冒頭のシーンは見れないでしょうね。

開始30分でビル崩壊。生き埋めになる面々。
一時は助かった人は全員助かりそう?て雰囲気なんですが、直後にタワー2も崩壊して、生還は絶望的に。
この辺で、「山」な展開が一気に来たので、見ててかなり疲れました。
(実際「山」はここに全部集まってたんですが……)
たとえ脚本で演出でも、悲壮感は否応なしにリアルに変換されるので、とにかく絶望的な空気にやられます。
その後も、火が出たり、小規模の二次崩壊があったりと、何か起きるたびに、「あぁ、死ぬ! どっちかは死ぬ!」と、ひたすらドキドキ。
そのドキドキも、ただただ絶望感のみなので、とことん心臓に悪かったです。
途中からは、生き埋めになった2人の描かれ方がいかにもアメリカ映画的になったので、ジョン(ニコラス・ケイジ)もウィル(マイケル・ぺーニャ)も生還するだろうってのがわかって安心……というか、「映画」として見られるようになったんですが、どっちかは死んじゃう(多分ジョンが死ぬ)と思ってたので、走馬燈的シーンになる度、ますます絶望的な気分になってました。

それがあったので、逆に生還が確信的になって、描写が「2人」から「2人の家族」に
なってからは、なんだか「作り物っぽさ」が増えたように見えました。
あの時の「家族」と、「家族の気持ち」は本物だろうけど、生還した人の家族とその気持ちが全てではないのに……って、これまた違和感。
大事な人を亡くした人の描写が、「エレベーターボーイのお母さん」と、「捜索願のビラのみ」ってのがますます一方方向で、最後、「奇蹟の英雄」をキレイにまとめすぎなのは正直嫌悪感すら覚えましたし。
「大勢の人が亡くなってるけど、そのなかで1人でも生還者がいたことを喜びたい」
て、気持ちは純粋にありますが、あまりにラストが「戦意高揚的」というか、「アメリカ全肯定的」というか……。
とにかく、ラストのナレーション(「たくさんの人が亡くなったが、奇蹟の生還を遂げた人のことを讃えよう。彼らは大事な人を守るため戦う」みたいな内容)が全てを台無しにしてましたね。


結局……ノンフィクションとしては味付け多すぎて、フィクションとしてはあまりに見所が無くて、ただ「ツライ・オモイ・クライ」映画でした。
テーマは「家族愛」。
なんでしょうけど、うーん……そんな「絆」的な部分より、圧倒的に「絶望感」が支配してて、それ以外の感動はなにひとつ出てこなかったです。
「生還した人の現在の姿が見られて良かった」
それがこの映画で得たことの全てです。


ちなみに、上にも書いた「見終わって気分悪くなった」ですが、これって、「ジョンやウィルや犠牲になった皆さんやその家族に感情移入してる」とか、「戦争に反感を持った」とかではなく、たぶん「自分にもその時がきたらと考えると妙に怖くなっちゃった」てな、怪談話で眠れなくなった子供と似た感情です。
「大地震が来て家が崩れたらどうしよう」とか、
「いつか核大戦になったらどうしよう」とか、
「太陽が無くなって氷の世界になっちゃうんじゃないか」とか……etc.
子供の頃によくあった杞憂とおなじものが、現在の世界情勢に後押しされて、自分の中で勝手にリアルになって、なんだか妙に心配になってきて、そのもやもや?っとした不安感だけがいつまでも残ってる……て感じです。
子供の時はよく感じたけど、最近はとんとご無沙汰。
それって、それだけ「大人になるにつれ色んなことに慣れた」であり、それだけ「911は予想だにしない未知の災害だった」ってことですよね。
そんな災害、人間の手で起こるのだけは、もう御免被りたいモノです。
:: 映画(2008年まで) | comments(0) | trackbacks(0) | posted by 二瀬古 
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